AWSクイックスタートリファレンスデプロイ:Microsoft Exchange Server 2013
ソリューションアーキテクトの渡邉(@gentaw0)です。前回の記事では、Active DirectoryドメインサービスをAWSに展開する方法についてご紹介しました。Active Directoryを社内に展開されていて、メールとカレンダーのインフラにMicrosoft Exchangeを使用しているお客様は多いのではないかと思います。実際に、多くのお客様がExchange ServerをAWS上で運用しています。ということで、引き続き本日はAWSクイックスタートリファレンスデプロイ:Microsoft Exchange Server 2013についてご紹介したいと思います。
このクイックスタートリファレンスデプロイメントガイドには、Microsoft Exchange Server 2013環境をアマゾンウェブサービス(AWS)クラウドに構築する際のアーキテクチャ上の考慮事項と設定が含まれます。Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)やAmazon Virtual Private Cloud (VPC)といった、可用性の高いExchange Serverアーキテクチャを個々のアベイラビリティゾーンにデプロイするのに必要なサービスを構築および設定する方法を説明しています。
また、正しく設定されたインフラストラクチャを計画通りに繰り返しデプロイするために役立つ、サンプルのAWS CloudFormationテンプレートを提供しています。このテンプレートは自動化されており、これを起動すると、Microsoft Active Directoryドメインサービス(AD DS)とMicrosoft Exchange Server 2013のインフラストラクチャがAmazon VPC内の複数のアベイラビリティゾーンにデプロイされます。AD DSをすでにデプロイ済みであれば、提供されている2番目のテンプレートを使用して、このMicrosoft Exchage Serverインフラストラクチャを既存のVPCに作成できます。
自動化されたテンプレートを起動すると、AWS上でMicrosoft Exchange Server 2013を実行するために必要な最小限のインフラストラクチャが構築されます。このインフラストラクチャでは、250のメールボックスをサポートする小規模のデプロイメントに対して高い可用性が提供されます。これ以外にも、MicrosoftがExchange Serverに関して推奨しているアーキテクチャに合わせて2種類のデプロイメントシナリオ(メールボックス数250と2500)が用意されています。これらのシナリオをもとにして独自の実装を実行できます。
Exchange Server 2013を本稼働用にデプロイする前にAWSで試験的に実行する場合は、クイック起動オプションを使用してください。このオプションでは、あらかじめ構成済みの設定を含むAMIを使用して、以下の図に示されるExchange Serverアーキテクチャがお客様のAWSアカウントに約15分以内にセットアップされます。クイック起動のデプロイメントには、Exchange Server 2013の60日トライアルライセンスが含まれます。
アーキテクチャ
- Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) によるAWSクラウド上のプライベートな独立したセクションでのサービスの起動
- Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) による仮想マシンインスタンスの起動。このデプロイメントではExchange Serverインスタンスにr3.xlargeインスタンスタイプを使用しています。
- Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) による永続性のあるブロックレベルストレージ。このデプロイメントではGeneral Purpose (SSD) ボリュームを使用しています。
- Microsoft Windows Server 2012 R2 とActive Directory Domain Services (AD DS) によるディレクトリ情報の格納と共有、およびRemote Desktop Gateway (RD Gateway) によるリモートのWindows管理
- Microsoft Exchange Server 2013 による250メールボックスのサポート
機能
- 高可用性 - Active Directoryドメインコントローラー、Exchangeサーバー、Remote Desktopゲートウェイ、Exchangeエッジトランスポートサーバー、そしてネットワークアドレス変換(NAT)ゲートウェイといったクリティカルなワークロードが高可用性のために2つのアベイラビリティゾーンに配置されます。
- セキュリティ - 内部のアプリケーションサーバーとドメインコントローラーやマルチロールExchangeサーバーのようなインターネットに面していないサーバーはプライベートサブネットに配置されます。NATインスタンスはパブリックサブネットにデプロイされ、これらのコンポーネントに対してアウトバウンドのインターネットアクセスを提供します。
- リモート管理 - Remote Desktopゲートウェイがリモート管理のためパブリックサブネットにデプロイされます。
- ハイパフォーマンス、低レイテンシーなストレージ - Amazon EBSボリュームは一貫性のある、低レイテンシーなパフォーマンスのストレージを提供し、自動的にアベイラビリティゾーン内で複製されることでコンポーネント障害から保護します。
Microsoft Exchange Server 2013 on AWS: クイックスタートデプロイガイドの日本語版は、以下のページよりダウンロードしていただくことが可能です。
Microsoft Exchange Server 2013 on AWS: クイックスタートデプロイガイド
その他、AWSクイックスタートリファレンスデプロイについてはこちらを参照してください。
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