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VM Import/Exportによる仮想マシンインポートのベストプラクティス(Linux編)

AWSソリューションアーキテクトの小林です。

オンプレミスの仮想インフラで稼働する仮想マシンを、再構築の手間なく簡単にクラウドへ移行したいと思ったことはないでしょうか?そんなときは、VM Import/Exportという機能を使ってみると良いでしょう。VM Importなら、現在お使いの仮想マシン環境をほぼそのままAmazon EC2インスタンスに変換することができます。

まずはLinux環境のVM Import/Exportについて、動作環境を確認してみましょう。

  • サポートされる仮想マシンイメージについて
    VM Import/Exportで取り込める仮想マシンイメージのフォーマットは、VMware ESXやVMWare vSphereで利用されるVMDKや、Microsoft Hyper-VやCitrix XenServerで利用されるVHDです。
  • ディストリビューションとバージョン
    現在のところ、サポートされているディストリビューションとバージョンは以下の通りです。64bit版のみがサポートされていることに注意してください!
    • Red Hat Enterprise Linux(64bit) : 5.1-5.10, 6.0-6.5 
    • Cent OS(64bit) : 5.1-5.10, 6.0-6.5
    • Ubuntu(64bit) : 12.04, 12.10, 13.04, 13.10
    • Debian(64bit) : 6.0.0-6.0.8, 7.0.0-7.2.0

    最新のサポート情報はこちらをご覧ください。

  • 利用可能なインスタンスタイプ
    Windows の場合はすべてのインスタンスタイプが利用可能ですが、Linuxの場合は一部のインスタンスタイプが利用できません。とはいえご安心を。現行世代の汎用 ファミリであるm3や、コンピューティング最適化ファミリのc3はご利用頂けます。ご利用いただけるインスタンスタイプは下記の通りです。
    • 汎用ファミリ:m3.medium, m3.large, m3.xlarge, m3.2xlarge
    • コンピューティング最適化ファミリ:c3.large, c3.xlarge, c3.2xlarge, c3.4xlarge, cc2.8xlarge
    • ストレージ最適化ファミリ:i2.xlarge, i2.2xlarge, i2.4xlarge, hi1.4xlarge, hs1.8xlarge
    • メモリー最適化ファミリ:cr1.8xlarge
    • GPUインスタンス:cg1.4xlarge

本日はLinuxの仮想マシンをImportする際に注意すべきポイントや、よく頂くご質問への回答をご紹介したいと思います。「Windowsユーザーはどうすれば?」と思った方もご安心を。WindowsについてはAWSソリューションアーキテクトの渡邉がすでに記事を投稿していますので、こちらをご覧ください。

  • Importの前にSSHで接続できる事を確認する
    一般的な仮想化ソフトウェアでは、コンソールを利用することが可能です。そのため、仮想マシンに対するSSH接続が無効になっている場合がありますが、Amazon EC2ではインスタンスのコンソールを直接触ることができません。そのため、管理作業にはSSHが必須です。あらかじめ、SSHでリモート接続ができるようにしておいてください。
  • プライマリのネットワークインタフェースのプライベートIPアドレスを指定する
    Importを行うと、プライマリのネットワークインターフェース(eth0)の設定が自動的に変更され、DHCPを参照するようになります。参考として、Import後のeth0の設定(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0)を示します。
    # Automatically generated by the vm import process
    DEVICE=eth0
    ONBOOT=yes
    BOOTPROTO=dhcp
    TYPE=Ethernet

    DHCPを参照するからといって、IPアドレスを固定した運用ができないわけではありません。Importする際に、IPアドレスを指定することが可能です(ec2-import-instanceの--private-ip-addressオプションを使います)。OSがDHCPを参照すると、その都度Import時に指定したIPアドレスが配布される仕組みになっています。
  • 複数のネットワークインタフェースが必要な場合はENIを利用する
    何らかの理由で複数のネットワークインタフェースが必要な場合は、ENI(Elastic Network Interfaces)を利用します。2つめ以降のNICのIPアドレスを指定する必要がある場合は、ENIを作成するときに指定しておきましょう。
    なお、ENIをアタッチした後に、2つめ以降のネットワークインタフェースの設定を変更し、DHCPを参照するようにするのを忘れないでください。VM Import/Exportはeth0の設定については変更してくれますが、それ以外のネットワークインタフェースの設定は、Import前のものを引き継ぐようになっているためです。
    オンプレミスで利用していた設定ファイルを修正する場合は、MACアドレスの設定値に注意が必要です。オンプレミス環境とは仮想NICのMACアドレスが変わっているため、MACアドレスの設定(HWADDR)が行われている場合は削除またはコメントアウトしておきましょう。特別な要件がなければ、自動的に書き換えられたeth0の設定を流用すると簡単です(DEVICEは都度書き換えてください!)。
  • 仮想マシンイメージのアップロードを中断したい
    ec2-import-instanceはレジュームに対応しています。アップロード中にマシンが落ちた場合や、コマンドプロンプトを閉じてしまったとしても、再度同じ処理を実行すれば前回実行時の続きからアップロード処理を開始してくれます。
  • Import後のインスタンスとAMI
    VM Importを行うと、仮想マシンがEC2インスタンスになります。ここで注意していただきたいのが、AMIは自動的に作成されない点です。Importが完了したら、なるべく早くAMIを取っておくとよいでしょう。一度AMIを取ってしまえば、環境の複製が非常に容易になります。
  • Red Hat Enterprise Linuxのサブスクリプションについて
    Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をインポートする場合、サブスクリプションはお客様がお持ちのものをAWSに持ち込んでいただく形(Bring your own license=BYOL)となります。RHELの場合はRed Hat Cloud Accessというプログラムを利用することで、BYOLが可能ですので、下記のリンクの情報を確認してください。
    https://www.redhat.com/solutions/cloud/access/
  • Importが終わったらS3のマシンイメージを削除する
    VM ImportはマシンイメージをS3にアップロードし、そこから変換処理を行います。Import処理が終わってもマシンイメージのファイルは削除されないので、放っておくと大量のファイルが残ってしまう事になりかねません。忘れる前にec2-delete-disk-imageコマンドで掃除をしておきましょう。
    Vmimport_tmpobj

  • うまくいかないときはカーネル・ブートローダー・ファイルシステムを確認する
    VM Import/Exportはカスタムカーネルをサポートしていません。Importを行う前にデフォルトのカーネルに戻しておくようにしてください。同様にブートローダーはgrubのみサポートです。ほとんどの場合は問題ないと思いますが、VM Importの処理がうまくいかないときは確認してみると良いでしょう。
    また、ルートファイルシステムはext2, ext3, ext4, btrfs, jfs, xfsであり、ルートディレクトリ(/)と/bootは別のパーティションである必要があります。
  • Exportできるインスタンスは過去にImportしたものに限られる
    VM Exportを利用すると、EC2インスタンスをオンプレミスの仮想化インフラストラクチャに移行することができます。ただし、Exportができるのは過去にImportでEC2インスタンス化したものだけである点に留意してください。

以上が、Linuxの仮想マシンをImportする際に注意したいポイントや、よくあるご質問への回答です。よくわからない点や、現状の機能で使いにくい点がありましたら、お気軽に我々ソリューションアーキテクトまでお知らせください。複雑な構成の仮想マシンをインポートするテクニックや、制限事項については近日中に別の記事でご紹介します。ご期待ください!

VM Import/Exportを活用すれば、オンプレミスからクラウドへのサーバ引越が容易になります。VM Importは無料で利用できますので、今すぐ試してみてください!

 

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